近藤姫美法律事務所

相続の対象になるのはどんな財産?遺産相続できない財産も紹介

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相続の対象になるのはどんな財産?遺産相続できない財産も紹介

相続の対象になるのはどんな財産?遺産相続できない財産も紹介

2023/07/14

 ある方が亡くなれば、相続が開始されます。相続が開始されると、相続人に財産の引継ぎが行われるのですが、「どんな財産が引き継がれるの?」と疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
 ここでは相続の対象になる財産、逆に、相続の対象とはならない財産についても紹介していきます。

 

 

相続により財産は相続人に引き継がれる

 

 

 相続が開始されると、基本的に亡くなった方が生前持っていたものはその妻や夫、子などが受け継ぐことになります。
 これらの者を「相続人」と呼びます。
 相続人の範囲に関しては民法の定めがあり、同じ相続人間でもその立場に応じて「順位」が決まっています。順位に応じて、「法定相続分」という相続できる財産の割合が決まっています。協議によってこれと異なる割合を取得することはできますが、何ら協議しなければ法律で指定された割合で財産が引き継がれることになります。

 

 そこで、後述する「相続の対象になるもの」に該当したとしても、前提として相続人にならなければ取得することはできません(遺言がある場合などは別)。さらに、相続人が自分1人である場合を除いて、丸々財産を取得できるとも限りません。
 よって、下記「相続の対象になるもの」は相続全体を見た場合の話であり、「各人が具体的に取得できるもの」とイコールになるわけではない点に注意が必要です。

 

 なお、相続人が存在しているのかどうかわからないという状況も起こり得ますが、このときは申立てにより、家庭裁判所が相続財産管理人を選任します。

 

 

相続の対象になるもの

 

 

 民法第896条には、以下の規定が置かれています。
 第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

引用:e-Gov法令検索(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

 

 同条前段では、相続開始時点において亡くなった方が有していた財産は、すべて相続人が取得するということが規定されています。
 ここで重要なのは「一切の権利義務」とされている点であり、要は、プラスの財産のみならずマイナスの財産もすべて相続の対象になるということです。
 プラスの財産というのは、相続人の利益になるような例えば預貯金や土地などの不動産が含まれます。マイナスの財産としては借金などがあります。もう少し詳しく見ていきましょう。

 

プラスの財産にあたるもの
・ 土地や土地上の権利、駐車場
・ 戸建住宅やマンション、貸家、店舗、工場、その他付属設備等
・ 自動車
・ 現金、預貯金
・ 株式や国債証券、社債、手形・小切手等の有価証券
・ 貸付金債権や還付金債権、損害賠償請求権、慰謝料請求権などの債権(一身専属権とされる権利を除く)
・ 著作権等の知的財産権

 

 

 また、被相続人が事業を営んでいた場合には、事業用財産も相続の対象となります。機械器具や商品・製品、原材料、売掛債権などが含まれます。

 

 

マイナスの財産にあたるもの
・ 住宅ローンや自動車のローンなどの残高債務
・ クレジット残債務
・ 水道光熱費や通信費、建物の賃借料等に対する未払金
・ 預り金、買掛金
・ 保証債務
・ 所得税や住民税など税金の支払い義務

 

 

 具体例を挙げるときりがないほど、相続の対象になるものは多岐にわたります。基本的にはあらゆるものが対象になると考えるべきでしょう。

 

 

 なお、マイナスの財産がプラスの財産を上回るケースなどでは、相続の放棄や限定承認も視野に入れることになります。
 しかしながら、これらすべての財産を評価していくのは一般の方には困難ですし、非常に手間と時間がかかるでしょう。隠れた財産があるかもしれませんし、相続開始後は財産の調査等を専門家に依頼するのが無難です。

 

 

相続の対象にならないもの

 

 民法第896条後段には、但し書きで「被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」と規定されています。
 つまり、上で例示したような一切の財産は相続対象になるとしつつ、被相続人の「一身に専属」するものについては例外的にここから排除しているのです。
 そこで何が「一身に専属」すると言えるのかがポイントになってきます。

 「一身に専属」とは、「その権利が専ら特定人の者に属しており、もともと他人による取得や他人への移転ができないもの」であると説明されます。

例えば、以下のようなものが対象外とされます。
・ 扶養請求権
・ 恩給請求権
・ 年金受給権
・ 生活保護受給権
・ 保険金を負担していた方が被相続人で、受取人が指定されている死亡保険金
・ 被相続人以外の方が受給権者として指定されている死亡退職金
・ 仏壇やお墓、祭具、神棚など
・ 香典

 

 なお、当然ながら被相続人が有していた資格も一身に専属し、その相続人が引き継げる類のものではありません。
 また、受取人等が指定されているなど、特定の死亡退職金や生命保険金は遺産相続の対象外であるとされており、このときには遺産分割に含まれません。そのため、受取人が配偶者として設定した生命保険金については、法定相続分などとは関係なく、丸々当該配偶者が受け取れます。
 ただし、相続税の課税可否に関しては別途考慮しなければなりません。本来の相続財産ではないものの、これと同等に扱うべきものとして課税対象になることはあります。

 

 

 どなたかが亡くなり相続がある際には、これらの情報を元に、そのまま相続をしていいか、それとも相続放棄や限定承認をすべきかを決めることになりますが、自身で判断するのは難しい場合もあります。特に相続放棄はできる期間が限られてきますので、できれば葬式等が終わった後すぐに動かれた方がよいでしょう。お気軽に弁護士事務所へご相談ください。

 

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