近藤姫美法律事務所

交通事故の直後にすべきことと必要な手続とは? 困ったときの相談先も紹介します

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交通事故の直後にすべきことと必要な手続とは? 困ったときの相談先も紹介します

交通事故の直後にすべきことと必要な手続とは? 困ったときの相談先も紹介します

2023/07/21

 交通事故はいつ発生するかわかりません。自分が気を付けていても事故の被害を受ける可能性はありますし、自分のミスにより誰かを傷つけてしまうおそれもあります。
被害を受けたにしろ、誰かを傷つけたにしろ事故後の対応は重要であり、被害を受けた場合であっても十分な救済を受けるためには迅速かつ適切な行動を起こすことが必要です。
そこでここでは、交通事故直後に起こすべき必要な行動、その後行うべき手続について解説し、具体的な相談先についても紹介していきます。

 

交通事故発生直後にすべきこと

 

 突然発生した交通事故に対して冷静に対処していくのは難しいかもしれません。
しかし、最低限以下の事項を覚えておき、事故後も対応していくようにしましょう。特に以下の事項は事故直後にしておくことに大きな意味があります。

 

警察への届出

 まずは110番通報をし、警察への報告・届出を行いましょう。
 加害者による報告は法的な義務とされていますが、その後の手続きも視野に入れると被害者側からの届出も非常に重要です。
特に怪我をした場合には、事故当初から人身事故としての扱いをしてもらうことが重要です。

 

加害者の確認

 自動車や自転車の損壊、身体への傷害など、損害が発生した場合には、加害者本人に損害賠償請求をするのが原則です。
そのため、事故の相手を確認することが大切です。

以下の情報を入手しましょう。
・ 氏名
・ 住所
・ 連絡先
・ 加入している保険
・ 車両の登録ナンバー
・ 勤務先の名称・住所・連絡先

 最低限、相手の特定ができる情報だけでも入手しておかなければ請求ができなくなるおそれがありますので注意しましょう。

 勤務先の情報を聞きだすのは、相手が業務をしている最中の事故であった場合には、相手が勤めている会社に賠償責任を追及できるケースがあるためです。
この場合、加害者に十分なお金がなかったとしても、会社の保険会社からお金が支払われる等されるため、補償を受けられる可能性が上がります。

 

周囲の状況を記録

 生じた損害分すべてにつき賠償請求ができるとも限りません。特に被害者側にも過失があると認められると、その分請求額が減額されることもあります。
真実とは異なる事実が認定され、不利な内容で過失判定されないよう、事故現場の状況を記録するようにしましょう。
駆けつけた警察官も状況確認を行いますが、これはあくまで刑事上および行政上の措置をするためのものであり、損害賠償請求という民事上の問題を解決するためのものではありません。

 警察官が被害者救済をしてくれるわけではありませんので、被害者の方も自ら事故現場の撮影(自動車等の損壊状況、ブレーキ痕、事故状況の現場等)をするなど、客観的な資料として使えるような記録を残すべきです。

 

目撃者の確保

 周囲の状況を記録するのと同様の趣旨で、事故の目撃者を探し、確保しましょう。
被害を受けた後に撮影しても得られるのは事故後の情報ですし、事故発生の経緯や直前の様子などはドライブレコーダーがなければ証明が難しいです。
また、ドライブレコーダーに写っている情報にも限りがありますので、多角的なデータ・資料を集めることが大切です。
特に、相手方との意見の食い違いが生じたときに資料不足の問題が顕在化することになります。お金を請求する側が事故について証明をしなければなりませんから、これに備えて第三者の意見も使えるようにしておきましょう。

 目撃者の証言をメモしたり、連絡先を聞いたりしておくと良いです。場合によっては証人になってもらうよう依頼することもあるでしょう。

 

医師の診断を受ける

 事故直後は痛みに気が付かないことも珍しくありません。
そのため無傷・軽傷だと感じても、必ず医師の診断を受けましょう。後から症状が発生しても事故直後に医師の診断を受けていない場合には、治療費や後遺症などに対する十分な賠償を受けられなくなります。

 

 

交通事故証明書の発行手続きも行う

 

 交通事故後の様々な手続きを進める上では、「交通事故証明書」が必要です。 この発行手続きも進めていきましょう。

 

交通事故証明書がなぜ必要か

 交通事故証明書は、自動車安全運転センターが発行する、交通事故を証明する唯一の書面です。
この証明書は、警察から提供された資料に基づいて作成されるもので、警察への届出を怠っていた場合には発行することができません。

 交通事故被害者の財産・権利を守るために役立つ重要な書類であるため、まずはその発行を可能な状態にするため、上で挙げた警察への届出を忘れないようにしましょう。
なお、原則として事故から5年が経過すると交付されなくなるため、できるだけ早めに取得しておくようにしましょう。後々大きな症状が出たとしても、証明ができず支援を受けられないという事態を防ぐのです。

自動車安全運転センターのWebサイト(https://www.jsdc.or.jp/certificate/tabid/112/Default.aspx)から交通事故証明書の見本が確認できます。

 

交通事故証明書の申請方法

 自動車安全運転センター事務所のほか、警察署や交番、損害保険会社などから申請書を取得することができます。
これに必要事項を記入し提出します。申込みは窓口・郵送・インターネットいずれの方法でも可能です。

なお、申請できるのは以下の方に限られます。
・ 交通事故の被害者
・ 交通事故の加害者
・ 正当な利益のある者(損害賠償請求ができる親族など)

 特段難しい手続ではなくすぐに申請を終えられると思いますが、詳しい手続きを確認したい場合には最寄りの自動車安全運転センター事務所に相談してみると良いでしょう。

 

 

交通事故被害の相談先

 交通事故の内容も多種多様です。一方の過失がまったくないと思われるようなシンプルな事案もあれば、非常に複雑な事案もあります。

 そこで自分一人で対応するのが難しい場合もあるかと思います。特に事故後は心身ともに疲弊していることも考えられますので、信頼できる機関等を利用して適切なアドバイスを得ると良いです。
以下でその例を紹介していきます。

 

独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)

 交通事故に関する総合的な窓口として機能するのが「独立行政法人自動車事故対策機構」です。「NASVA(ナスバ)」とも呼ばれ、交通事故被害者に対し、法律・金銭・介護に関する悩みに応じてくれます。
相談内容に応じた個別の相談窓口の紹介もしてくれます。

 

医療の相談は医療安全支援センターへ

 交通事故に伴い、医療関係の相談をしたい場合であれば「医療安全支援センター」に相談してみると良いでしょう。
当センターでは、医療に関して患者やその家族の悩み、苦情などへの相談に対応し、医療安全に関するアドバイス、情報提供などが実施されています。

 

損害保険の相談はそんぽADRセンターへ

 損害保険に関する相談、あるいは損害保険会社との間でトラブルが生じた場合の相談などは「そんぽADRセンター」に問い合わせてみましょう。
一般社団法人日本損害保険協会は、全国10ヶ所に「そんぽADRセンター」を設置しており、保険業法に基づく指定紛争解決機関として紛争解決の支援のため「和解案の提示」なども行っています。
保険会社との紛争が長期化しそうな場合には当センターに問い合わせて、早期の和解ができないか、検討してみると良いです。

 

高次脳機能障害の相談は各都道府県の支援拠点機関へ

 記憶障害や注意障害、社会的行動障害などを伴う後遺障害は、高次脳機能障害と呼ばれ、事故後しばらくして症状が出てくることも多い障害です。
症状が「忘れっぽくなる」「ぼーっとすることが増える」「落ち着きがなくなる」といった内容であるため、なかなか判別が難しいという問題も持っています。

 この障害に関しては、各都道府県が支援拠点機関を設けています。対応している病院やリハビリセンターなどを検索し、直接問い合わせてみましょう。

 

交通事故被害者同士の自助・支援なら被害者団体の利用へ

 公的機関による支援のほか、被害者団体による自助活動も助けとなることがあります。
例えば「特定非営利活動法人 日本高次脳機能障害友の会」「一般社団法人 交通事故被害者家族ネットワーク」「特定非営利活動法人 KENTO」「特定非営利活動法人 いのちのミュージアム」など、多数存在しています。
それぞれに特色がありますので、悩みの内容に合う団体を探してみましょう。

 

トータルサポートなら法律事務所へ

 ここまでで紹介した相談先は、基本的にアドバイスを受けるにとどまり、積極的に加害者との問題を解決してくれるわけではありません。
そこで、加害者やその加入保険会社等の請求、訴訟上のサポートをして欲しいのであれば、弁護士に相談・依頼しましょう。事故に関する証拠保全や後遺障害等級の認定、加害者側との示談、損害賠償請求など、幅広く被害者に代わって対応してもらうことができます。まずは相談だけでも、気軽に法律事務所へ問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。

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